◎概要
ヨーロッパとアジアを結ぶ伝説の北西航路開拓は、人類の大きな夢でもありました。16世紀以降、富と栄誉を求め多くの探検隊が北西航路の開拓に命を懸けました。特に、1845年、2隻の軍艦と129名の隊員からなるフランクリン探検隊がイギリスを出港後、消息を絶ち、行方不明なったことは歴史に残る出来事でした。北西航路は、1903〜05年に行われたロアール・アムンセンの完全踏破まで成し遂げられませんでした。この探検クルーズでは、北極の歴史や文化、野生動物、大自然を堪能いただけます。伝説の北西航路の歴史を辿る夢と浪漫と感動にあふれた旅です。
◇探検クルーズのハイライト
・ホッキョクグマやジャコウウシ、クジラ、セイウチ、多種多様の海鳥など北極の野生動物を観察します。
・極北の厳しい大自然の中で暮らすイヌイットの人々との出会いを楽しみます。
・ツンドラ・ハイキング、氷河やフィヨルドなど極北の大自然を満喫します。
・伝説の北西航路を辿り、歴史浪漫に夢を馳せます。
◎詳細日程
■第1日目 コペンハーゲン(デンマーク)集合
コペンハーゲンに到着後、クォーク社指定のホテルに宿泊します。
■第2日目 コペンハーゲン発 → カンゲルルススアーク着/乗船
コペンハーゲンからチャーター機にてグリーンランドのカンゲルルススアークへ向かいます。
カンゲルルススアーク到着後、シー・アドベンチャラーに乗船し、出港します。カンゲルルススアークは、北極圏の北約60qのところに位置し、グリーンランドの中でも長いフィヨルドの最奥部にあります。
■第3日目 イテレック & シシミュート観光
グリーンランドの典型的な集落イテレックに到着します。集落の人口は約130人で、ツンドラの大地にカラフルな家々が建ち並んでいます。
シシミュートでは、伝統的なカヤックの実演が予定されています。カヤックは本来イヌイット語で、パドルで漕ぐ一人ないし二人乗りの小さな舟のことです。グリーンランドが植民地だった18世紀の建物や大きなクジラの骨で作られたアーチなど歴史的な町並みの散策をお楽しみください。
■第4日目 イルリサット観光
グリーンランドで3番目に大きな町を訪れます。このフィヨルドの最奥部にある氷河は、北半球で最も早く氷山ができている場所です。氷山は氷河から離れてフィヨルドを下り、バフィン湾へと向かいます。本船がイルリサットに近づいたら、氷山の撮影に備えてカメラを用意しましょう。海に流れ出た氷河は、ニューファンドランドの沖合で数年かけて溶けます。イルリサットのアイスフィヨルドは、世界自然遺産に指定されています。ゾディアック・クルージングの際には、氷山の音に耳を澄ましてみてください。太古の音が聞こえてきそうです。
その後、素敵な遊歩道を進み、湾が一望できる場所までハイキングを楽しみます。ここでは、別料金になりますが、氷河のヘリコプター遊覧を楽しむ事もできます。あるいは、パブで地ビールを満喫したり、地元の工芸品のショッピングをお楽しみください。
■第5日目 エキップ・セルミア氷河観光
グリーンランド屈指の小さな村サッカクを訪れます。人類学者によって、村の原住民や狩猟に関する本が出版されたこともありました。
巨大な氷河を探索しながら、エキップ・セルミア氷河へと航路を進めます。
■第6日目 ウマナック観光
船がウマナックに近づくと、息をのむほどの絶景が広がります。町の名前になったハート型の山が聳え立っているのをご覧いただけます。ウマナックは、1758年にデンマークの植民地としてヌスアック本土に建設されましたが、1763年にアザラシが豊富な島の近くに移されました。街を歩くと、1860年に建てられた歴史的なオイル倉庫を見る事ができます。倉庫の裏手には、数年前まで使われていた泥炭小屋もあります。
午後には1972年に5人のグリーンランド人のミイラが発見されたキラキツソックを訪れます。 女性4人と子供1人は溺死で、乾燥した状態で涼しい洞窟の中に600〜700年間埋もれていたと考えられています。現在ミイラはグリーンランドの首都ヌークで保存されています。
■第7日目 バフィン湾クルーズ
バフィン湾は、正確には海で、湾ではありません。北極海の延長で、広い水域がカナダとグリーンランドを隔てています。
■第8日目 ポンド・インレット観光
カナダの北極圏に入り、ポンド・インレットに到着すると、地元の人々が出迎えてくれます。ポンド・インレットの人々は、彼らが作り出した国際的に有名な芸術とホッキョクイワナ漁で生計を立てています。写真を撮影したり、集落を散策したり、ツンドラ・ハイキングなどでお楽しみください。
■第9日目 デボン島観光
デボン島のマックスウェル湾で、イヌイットの祖先が暮らしていた狩猟の根拠地を訪れた際には、ハイキングをしたりゾディアック・クルージングを予定しています。ダンダス・ハーバー周辺では、セイウチやジャコウウシなどの野生動物を探索します。訪れる集落には、かつてカナダ王立騎馬警察署の派出所もありました。この警察署は、現在もまだ存在しているものとみなされており、倒れた僚友たちの墓参りのために毎年、騎馬隊がここを訪れています。
■第10日目 ビーチー島観光
デボン島の西端沖に、ビーチー島があります。石の多い砂浜に、ジョン・フランクリン探検隊の北西航路探索で亡くなった人々のことを厳粛に思い出させる3つの墓標があります。ビーチー島に近づくころ、フランクリン探険隊についての解説を予定しています。ラドストック湾は、考古学的に素晴らしい遺跡です。近くには、ホッキョクグマの観察場所であるキャズ・ウェルタワーがあります。
■第11日目 サマーセット島観光
北西航路のちょうど北緯74度線上で、北極圏の北800km辺りのピール・サウンドにあるサマーセット島を訪れます。ここでは、カリブーやジャコウウシを見学いただけます。そして、サマーセット島の北東端にあるプリンス・レオポルド島の断崖絶壁に巣を作る何十万羽もの海鳥を観察します。島の名前は、1819年にこの島を発見したウィリアム・エドワード・パリーによって名付けられました。
■第12日目 フォートロス & ベロー海峡観光
かつてアムンセンが通った航路と同じく、サマーセット島の沿岸に沿って、南へと航路を進めます。ハドソンベイ社の無人の交易所があるフォートロスに上陸を予定しています。1670年5月、国王チャールズ2世は、ハドソン湾海域の土地を「ハドソン湾で通商に従事するイングランドの総督ならびに冒険家の一団」に与えました。ほぼ200年間、カナダ北部の取引権は、ハドソンベイ社の商人たちが独占していました。
北米アメリカ本土とサマーセット島を隔てる狭いベロー海峡を抜け、西へと航路を進めます。海峡のちょうど中間あたりが北米大陸の最北端ポイントになります。
■第13日目 ビクトリー岬観光
1845年、ジョン・フランクリンは、北西航路を発見するために、129人のイギリス海軍の高級船員や船員を率いて、カナダ北極圏の探検に出発しました。1848年までに遭難したと考えられていますが、32年間にわたって救援捜索が行われました。1859年にフランシス・マクリントックにより、最初に発見された白骨化した遺体は、キング・ウイリアム島の西沖で見つかり、船員だと考えられました。また、マクリントックは、ビクトリー岬で石塚の下から簡素な日記を見つけました。
1859年以来、フランクリンの探検隊のたくさんの白骨化した遺体や遺物がキング・ウイリアム島のいろいろな場所で見つかりました。
一番最近のものでは、2013年に、カナダ国立公園局が識別と分析のために、骨や約200の帆布、皮、爪、びょう、缶、金属のコンテナ、鋳鉄、ロープなどの小さな遺物を収集しました。
■第14日目 キングウイリアム島観光
ジョン・フランクリンの英雄物語の地に戻ります。フランクリン探検隊のエレバス号とテラー号は、2年間、島の近くの氷に閉じ込められ、1848年に船を放棄しました。10年後、探検隊が遺した簡素な日記が、ビクトリー岬の石塚の下で発見されました。この発見により生じた謎が、21世紀になってもなお探検隊の捜索熱を高めています。カナダ国立公園局の指揮の下6週間捜索が行われ、2008年に船の遺物だと思われる銅版が、オーレイリー島付近で発見されました。天候と氷の状態が許せばジョアヘブンの集落を訪れることができるかもしれません。
■第15日目 コロネーション湾とケンブリッジベイ観光
1821年、北極への初の航海で、ジョン・フランクリンは、国王ジョージ4世の即位に敬意を表して湾を命名しました。今クルーズでは、コロネーション湾での時間を最大限に確保するために、アイス・チャートや天気予報をはじめ、これまでの北極探検の経験を生かします。上陸してハイキングをおこなったり、ゾディアックボートで野生動物の探索を予定しています。もし天候が許せば、歴史的な場所も訪れることができるでしょう。
ケンブリッジベイやビクトリア島で最大の集落で商業の中心地として知られている人口約1400人のケンブリッジベイの人々は、彼らの伝統文化である歌やダンスで歓迎してくれることでしょう。ここでは、集落の散策もお楽しみ下さい。
■第16日目 バサースト入り江観光
バサースト入り江周辺で、素晴らしい秋色に染まったツンドラのハイキングを予定しています。短い北極の夏に繁茂する植物を大いに堪能できることでしょう。ここは、初めてホッキョクグマとグリズリーベアーの混血が見つかった場所でもあります。どの種類のクマにも注意を払って見学してください。
■第17〜18日目 アムンセン湾観光
1851年、ジョン・レイとその同伴者たちは、2台のソリと5匹の犬で、湾の東端のドルフィン&ユニオン海峡を横断しました。この探検の終着点は、ジョン・フランクリン探検隊の船が氷に閉じ込められた地点の西80qのところでした。
興味深い北極講座のプログラムを用意し、夕食やバーで過ごす時間の中で、語り合いの場を提供します。
■第19日目 クグルクトゥク(コパーマイン)
クグルクトゥク入港/下船。感動あふれる北西航路の探検クルーズに別れを告げて下船です。下船後、町の散策を楽しむチャンスがあるかも知れません。クグルクトゥク発、チャーター機にて空路カナダのエドモントンへ。エドモントン着後、クォーク社指定のホテルに宿泊します。
■第20日目 カナダのエドモントンにて解散(帰国の途へ)
エドモントンのホテルにて朝食後、解散となります。 |