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1・ターミナルへのアクセス
ヘルシンキ・タリン共にターミナルへのアクセスは良好でした。
ストックホルムに関しては、事前に頂いた乗船案内の内容を含め、案内方法に再考の余地があります。
当方は市内観光の流れで乗船案内に記載された地下鉄にて最寄駅より徒歩でのアクセスを試しましたが、地下鉄ゆえに出口を間違えたのか、シリヤラインを示す道しるべが発見できず迷った挙句30分近い時間を擁してターミナルへ到着しました。
(乗船案内での所要時間は約10分)
同じく乗船案内のにはストックホルム中央駅発のシャトルバスの案内もありましたが、便数や発車時刻の案内はなくそれらの案内もして頂けると良かったかと思います。
復路でターミナルより駅までシャトルバスを使いましたが20分ほどの乗車時間で到着でき、非常に便利だっただけに往路で使えなかったのが残念です。
先に書きましたように発車時刻の案内があれば、往路もシャトルバスを利用していたと思います。
ヘルシンキに関しては、出発前は些かの不安を持っておりました。
しかしながら実際に訪れてみると、ストックホルム航路の発着地・オリンピアターミナルもタリン航路発着地・ランシターミナル共に交通至便で市内中心部へのアクセスも容易でストックホルム以上に便利な所でした。
市街地〜ターミナル間のアクセス手段としては、市電を利用しましたがオリンピアターミナルからは徒歩での異動も十分に可能かと思います。
見所を見物しながら歩いていれば自然と市街地へ着く・・・という感じでした。
船と言う交通機関に対する感覚が日本とはまるで違うと実感しました。
前後しますが、何れのターミナルも市街地の電停からなら10分程度の乗車時間で移動できました。
なお、オリンピアターミナルはターミナル前に電停があり、ランシターミナルは市電の終点でした。
タリン港は持参したガイドブックによると、複数のターミナルに分かれておりタリンク・シリヤのターミナルは市街地より一番遠く不便という印象を得ていたのですが実際に行ってみると、タリン旧市街や当方が宿泊したホテルまでなら十分徒歩圏と思われる距離でしかありませんでした。
到着した時は昼でしたので休み休み歩いても20分程度で旧市街に到着できました。
帰りは早朝だった事もありタクシーを利用したのですが、車だと数分の移動時間。
日本のタクシーに置き換えたら、初乗り料金のままかワンメーター程度の感覚でした。
2・乗下船
頂いたバウチャーなどにより、チェックインなどはスムーズそのものでした。
持参した乗船案内では出港1時間30分程前から手続き開始と記載されてましたが窓口が開いていればそれ以上前からでも可能なようでした。
事実、復路のヘルシンキでは出港4時間前の時点で乗船手続が出来ましたので。
乗船開始時間との錯誤による情報なのではとも思えました・・・。
ストックホルム・ヘルシンキ・タリン共にターミナルの雰囲気は、明るくきれいで数多くのチェックイン窓口や改札口が並び、例えて言うなら東京駅の新幹線中央口のの様な雰囲気でした。
館内にはカフェやコンビニなどがあり、時間潰しにもなり、コンビニの品揃えも豊富なので便利に使えると思います。
乗船は、1時間半前位から可能でした。
コモドアクラスでの乗船だとさらに30分早く2時間前位からの乗船でした。
改札口は自動改札。
係員が数人配置されているだけで、キャビンキーを兼ねる乗船券のバーコードを自分で機械にかざして通過するシステムでした。
改札口から乗船口までは同じ建物の中での移動でしたが、若干距離があるように思えました。
徒歩で数分程度。
スッックホルムのターミナルは新しいこともあり、動く歩道なども完備。
その他のターミナルでは段差のある所にエスカレーターやエレベータが設置されてました。
改札口を通過してしまえば、イミグレーションや税関がある訳でもなく煩わしさもなく乗船できました。
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何れのターミナルもボーディングブリッジよりの乗船でしたが日本のボーディングブリッジを二本並列にしたような幅の広い物でしたので、行列になる事もなくスムーズな乗下船が可能でした。
かつて体験したフッティルーテンのベルゲンと比較すると、それ以上に判り易く戸惑う事がありませんでした。
なお、何れのターミナルにおいても、荷物のチェックインは無し。
船室まで自分の手で運ばざるを得ませんでした。
3・船内
ストックホルム〜ヘルシンキ間は往復共にシリヤ・シンフォニーに乗船しました。
舷門はデッキ7のプロムナード中央にありました。
プロムナードの雰囲気は左右に飲食店やショップが立ち並びその上にプロムナードキャビンの窓が無数に並んでいて、その様はカリビアンのボイジャークラス以降の船々のプロムナードを彷彿させるものでした。
当方の感覚としてはフェリーというより限りなく客船に近いと感じました。
しかしながら若干の安っぽさはあるかと思います。
利用したプロムナードキャビンは、にっぽん丸やぱしびいのステートと同じような雰囲気の部屋でした。
些かくたびれてる所はありましたが、洗面所やシャワーの湯の出が悪い訳でもなく、一夜を過ごすには何不自由なく快適に過ごせる部屋だったと思います。
船は同じでも使った部屋は往復別で、往路は3人部屋、復路は2人部屋をシングル利用でした。
食生活においては、メインレストラン以外にプロムナード等に複数のレストランがあり、航海時間から考えると不自由することはないと思います。
メインレストランは、2回制で指定時間より30分遅れると、指定された席が解除されてしまうらしいです。
当方の乗船時は、時期的に混雑が激しく、ビュッフェだったのも手伝い、殺伐としておりゆっくり食べられる雰囲気ではありませんでした。
結局、メインレストランは朝食のみ利用しましたが、朝は夜と違い混雑もなく比較的ゆっくり食事を楽しむ事が出来ました。
プロムナード周辺の飲食店は、寿司屋やイタリアンなど各種あり、ショッピングモールのフードコート等ようにメニューを決めて料金先払い制。
当方は、往復共に寿司屋を利用しましたが、創作寿司のような感じでしたが、日本茶やみそ汁も用意されアルコール飲料の中には梅酒まで用意されました。
味の方も悪くなく美味しく頂くことが出来まし。
心配していた食生活だったのですが、予約などしなくても食いっぱぐれる心配は皆無かと思います。
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船内のショップなどの構成は、船の中というより陸上のショッピングモールと言った感じでした。
プロムナードにあるショップは、シリヤライングッズやスウェーデンやフィンランドの土産物を売る店や衣料品店、おもちゃ屋など。
プロムナードの一層下には洋酒や化粧品など免税店の様な雰囲気のセクションやお菓子などの食品や日用品などがそろったスーパーの様なセクションが合わさりかなりの面積を占めておりました。
30%OFFとか50%OFFといったポップが至る所に掲示されていたので、何らかの割引があるのでしょう・・・。
日本では、あまり見かけないような商品なども販売されていたので、買い物をせずとも見てるだけで楽しい時間が過ごせました。
劇場やスパなどの設備も想像以上に充実しており、航海時間を考えると過剰?とも思える内容の船だったと思います。
乗客一人一人がそれぞれ自分好みの時間が過ごせる船・・・。
客船以上にそんな船だったと思います。
ヘルシンキ〜タリン間は、往路はスター、復路はスーパースターに乗船しました。
上記2船はラウンジなどのデザインが違う以外、施設の内容はほぼ同一でした。
パンフレットには、コンフォートクラスとスタークラス2クラスしか無い様な記載でしたが実際には個室になった船室やビジネスクラスもありました。
日本版のパンフレットに記載がない所を見ると、何らかの条件を満たさないと販売されないのか希望すれば購入可能なのか、お送りする資料を確認してみて頂けると幸いです。
当方が利用したコンフォートクラスも基本的には自由席でしたが専用のラウンジが用意されており室内には、飲み物やサラダ、ビスケットなどが提供されるビュッフェが備えられておりました。
それ以外の場所は、ショッピングモールのフードコートの様な佇まい。
船内全てがレストランかカフェ・・・といった感じ。
コンフォートクラス以外の乗客はそれらの席を確保して過ごして居るような状態・・・。
2時間の航海とはいえ些か落ち着かないのではと考えてしまいました。
ヘルシンキ〜タリン間の航海はコンフォートクラスの利用を推奨いたします。
専用のラウンジがあるので、多少の荷物ならラウンジ内に置いて置けますし、居場所が決まっていた方が落ち着けると思いますので・・・。
大きなスーツケースなどの荷物はクロークで預かってもらえるようですが、どうも有料だったような気がします。
ショップなどの構成もシリヤ・シンフォニー同じような状態。
船の大きさが小さい分、それが顕著で、フェリーというより洋上のショッピングモールと言った方がピッタリくる船でした。
日中の航海で、バルト海を渡り次第に近づいてくるタリン・・・。
久しぶりに船で目的地に着くという高揚感を感じ船旅本来の楽しさを思い出させてくれる2時間の航海でした。
乗船までは、面白い事なんか無いだろうと考えて居たタリンへの航海でしたが予想に反して、なかなか良いものがあると実感いたしました。
4・寄港地
ターミナルへのアクセスで書いた事と重複しますが、ストックホルム・ヘルシンキ・タリン共に徒歩か市電・タクシーなどの交通機関を利用し移動しましたが、数日間の旅の荷物と共に移動するには些か難があると思います。
当方は、小さいバックパックと大きめのボストンバックで出かけましたが、結局は一つにまとめてボストンバッグの取っ手に両腕を入れて大きなバックパックの様な状態にして行動しておりました。
傍からみたらバックパッカーと変わりない姿だったと思います・・・。
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旅ではなくクルーズという感覚でこの旅程を旅するとしたら、ポーターも兼ねてという意味で専用車かタクシーを貸し切るかしないと、移動だけで疲れ果てる事態になりかねないと思われます。
なお、ストックホルム・ヘルシンキ共に、市内交通で使える1日乗車券を購入し行動しておりました。
キオスクか券売機で購入でき、便利でした。
今回の旅程中で利用したホテルは何れも満足できるホテルでした。
ヘルシンキのラディソンは別の場所でも利用歴があったので、居住性の良さは想像通りだったのですがストックホルムのテルミヌスとタリンのノルディックフオーラムは、想像以上に快適なホテルでした。
テルミヌスはストックホルム駅前というロケーションの良さもさることながら、雰囲気が最高!
深夜到着での1泊だけでは勿体無く感じてしまいました。
朝食会場の雰囲気が良く、旅してるという楽しさを体感させて貰ったと思います。
タリンのノルディックフオーラムは正直言って聞いた事が無かったので、得体の知れなさを感じていたのですがホテルスタッフの接客態度などが確りしており、言葉が通じない日本のホテルといった感じでした。
旅の終盤、些か疲れが出始めていたところでリラックスでき、旅の疲れを癒すことが出来ました。
早朝出発者のために、朝4時から朝食のサービスが行われていることも特筆されるべき事柄かと思います。
今回、訪れたストックホルム・ヘルシンキ・タリン共に初めて訪問する街だったので可能な限り観光もしてまいりました。
余談になると思いますが当方が訪れた場所も記載しておきます。
ストックホルム
市庁舎・ガラムスタン・ヴァーサ博物館、特にヴァーサ博物館は一見の価値があります。
300年海底にあった木造船が新造時そのままの姿で保存されているのも驚きだし館内のカフェが素晴らしいです。
ストックホルム港の景色を一望でき、料理の味も中々でした!
ヘルシンキ
マーケット広場・ウスペンスキー寺院・スカイホイール(観覧車)・元老院広場・ヘルシンキ大聖堂・テンペりアウキオ教会・アテネウム美術館仕事柄、教会などの宗教建築物に興味があるので、見たかった所は全て見てきました。
特にテンペりアウキオ教会は建築物とはいえ一枚岩を削って造られた教会なので一見の価値はあるかと思います。
アテネウム美術館は美術に興味がある訳ではなく、雪を回避しつつ時間つぶしをしようと立ち寄ったのですが建物その物が工芸品に値する出来栄えで、美術品以上に建物探訪の方が楽しめました。
到着直後に訪れたマーケット広場では、季節がら出店数は少なめですが露店が出ており、ここで軽い昼食をとりました。
タリン
旧市街散策のみ
タリンは流れで行くだけであって、それほど期待していなかったのですが1泊・時間にしたら18時間ほどの滞在になってしまった事を激しく後悔しております。
旧市街はアニメーションの世界に迷い込んだのではと思わせる佇まいで、散策してるだけで十二分に楽しむ事が出来ました。
夜間も夕食をとりがてらに出かけてしまいました・・・。
郷土料理らしい、血のソーセージも食してみたのですが、当方は苦手ですね・・・。
次回は行動できる時間を丸1日程度は確保できる行程で訪れたいと思います。
バルト海沿岸国と聞くと、かつてはハンザ同盟のもとに海運で栄えたと記憶しております。
時代は変われど、その状態は現在も不変・・・。
行く先々の港でであった数々の旅客船を目にすると、そう思えます。
数々のオペレーターが運航するそれらの船々を目にするだけで、新たなる旅に誘われる思いを感じると同時に見知らぬ船々を観察できるい楽しみは船好きには堪らないものとなるでしょう。
シリヤラインは小学生時代より知っていました。
しかしながら、自らが乗船する機会が訪れるとは想像だにしない時期もありました。
真剣に船旅に取り組み始めて、間もなく20年に達しようとしております。
これからも訪れてない海、乗ってない船に乗りつつ、旅を続けていきたいと思います。
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