<<金剛山クルーズ乗船記特集>>
日本人、在日韓国人に解禁となった金剛山クルーズの第1便が、10月20日から始まりました。
すでにまんぼうくらぶ会員も参加いたしました。乗船記をお寄せ頂きましたので、ご検討中の方は、参考になさってください。航空券つきの東京発着の6日間パッケージツアーの販売も開始しました。また、来春からは日本から直接乗り入れの計画もあり、国内の発着地等、調整段階に入っています。
|
金 剛 山
「金剛山を見ずして天下の山水を論じてはならない。」と云った言葉がある。一万二千の峰を持つ北朝鮮の景勝地「金剛山」(クムガンサン)。今年8月、待望の日本人への観光許可が下り、誰でもこの地を訪れることができる様になった。今世紀最後に最も熱い時代
が始まった朝鮮半島へ観光客はその歴史の一端にも触れる事ができるに違いない。
船 旅
旅の出発は韓国、釜山の西側にあるタデッポ港から始まる。北朝鮮へはここから客船に乗り、約17時間のクルージングを楽しみながら向かう事になる。船は現代楓嶽(ヒュンダイブンガク)号、欧米風の客船だ。乗船後、日本語のガイドが私達のお世話をしてくれた。今回は20代の女性案内員 李さん だ。
乗船者には全員参加記念に特製リュックがもらえるので、荷物はそれに入れると便利。
雨が降れば雨合羽の貸し出しもある。気になる船内での生活だが、食事は全食ビュッフェスタイルとなり、韓国料理の他、中華や寿司、そしてデザートなどを自由に選べる。
ショーも楽しい。中国雑技風の曲芸や、ロシアダンサーによるミュージカル、クルーによる韓国歌謡曲と続き、日によっては乗客対抗歌謡大会なども行われ、とてもバラエティーに富んでいた。カジノの設備もあるが、こちらは政府の認可待ちとの事だ。服装はもちろんカジュアルだけで良い。チップは必要と云うが、何か特別の用事をお願いした時や、ルームメイク時に千ウォン(100円程)を渡せば大丈夫と説明があった。
入 港 の 朝
朝日を浴び、紅葉が燃える山肌を背にして、小さな港が見える。長箭(チャンジョン)港だ。到着後、入国審査となるが、設備は空港の様に整っている。カメラ・ビデオは一つずつチェックを受けるものの、後の作業は他と変わらない。私達の観光は初日が万物山(マンムルサン)、2日日が九龍(クーリョン)の滝コースであった。両方とも山登りだが、体力に合わせて途中休憩しても良い。また、全行程登る必要もない。ガイドに一言話せば、ギブアップした場所で待機もできるので安心!
真新しいバスに乗車し、1時間程掛かっただろうか?トイレ休憩の後、さあ登山開始だ。
ここで初めて朝鮮の監視員と会うことになるが、彼らはとても気さくだった。韓国の乗客と笑顔で会話を楽しんでいる。私達日本人に対しても笑顔を絶やさず会話を求められ、私達の参加を心から歓迎してくれた。監視員の写真は撮れないが、監視員にカメラを渡し、自分の記念撮影を撮ってもらうのはOK!旅行に行ったら是非監視員の方に、皆さんの記念写真を撮ってもらう事をお勧めする。
|
登 山
一度歩き始めると、休憩も入れて往復3時間30分の行程となる。昼食は3時と遅いので、船で売っていたおやつセット二千五百ウォンを用意しておくと安心。服装は上着とジャンパー、ズボンはジーパン姿で充分。但しリュックに防寒著を入れておいた方が良さそうだ。
登山道は石を組み合わせて舗装してあるので歩き易く、傾斜した場所は階段が設置されている。参加者の中には年配の方もいらっしゃったが、杖を付いてマイペースながらも登山を楽しんでおられた。前半の行程はそれほど急でもなく、容易に山奥まで進んで行く事ができる。後半は階段を登って1000m以上ある頂上を目指すのだが、手すりがあるので安全に登ることができた。山頂から見渡す景色は感動的だ。360度金剛山の美しい景色に包まれる70歳の夫婦はここまで自分で登って来た功績にと、しきりに記念写真を撮られていた。
温 泉 と サ ー カ ス
金剛山を下山しても、直ぐに船へ帰る訳ではない。港への平野を行く途中にロッジがあり、そこで昼食となる。初日はその後温泉に入り、2日日は朝鮮の有名なモンブランサーカスが楽しめた。温泉は15ドル、サーカスは特等席で30ドルだ。ロッジの昼食は船内で昼食券を購入することになるがこちらは2日分で六千ウォンと安い。温泉は露天風呂と室内風呂があり、設備は近代的。もちろん男女別となっている。タオルも用意してある。登山の疲れを癒す恰好の場所だ。
サ一カスは円杉のドームが会場になっている。空中ブランコのショーなどがあり、見物客がステージに上がって演技に参加できるイベントもある。出演者は皆朝鮮の方々だが、ダイナミックなアトラクションを始め、時にはコメディ一風のショーもあり、観客は終演時に惜しみないみない拍手をいつまでも送っていた。朝鮮民族の人々と私達が一体になれた雰囲気が感じられ、とても感動的な出来事だった。
別 れ の 日 に
楽しい思い出ばかりを胸に最後の観光を終え、バスで港へと向かう。辺りが暗くなりかけた頃、車窓の向こうに朝鮮の家族が見えた。子供たち4〜5人と母難だろうか。一番小さい子供がバスに手を振ると、子供達皆が手を振り始めた。車内からも大きく手を振って応える。あの子供達が大人になる頃は、手を振り合うだけでなく、抱き合いながら出会いを喜ぶ様になるのだろう。 日本では北朝鮮に対し、様々な情報が伝えられているが、真実は自分で見なくては判らない。このツアーを通じ、北朝鮮の素顔に触れることで、お互いの隔たりが少しずつ埋められてゆくことを願う。
まんぼうくらぶサポーター会員 西口 正人様より
|
|
心温まる金剛山クルーズ
「えっ?日本人は1人だけ!」。言葉は通じるだろうか、はぐれないだろうかという不安を胸に、11月1日、私はタクシーに乗り込み釜山市郊外の多大浦港に向かいました。
乗船した船は、旧アイランドプリンセスを改装した楓嶽号という名の2万トンの客船。決して派手さはありませんが、落ち着いた色調の船内は船齢を感じさせないほど。レストラン、ラウンジ、映画館、カジノなどの設備が充実し、キャビンも清潔で十分な広さが確保されています。
出港当日は季節はずれの台風が接近して荒れ模様でしたが、楓嶽号は眠気を誘うような心地よい揺れがあるのみ。ビュッフェ形式の夕食の後は、韓国歌謡ショーありロシアンダンスショーありで、船内はどんどんと盛り上がっていきます。
翌朝、いよいよ現地に到着です。心配していた雨も上がり、初日は海岸沿いに「海金剛」へ、2日目は壮大な渓谷美を誇る「九龍の滝」へとエクスカーションの開始です。ガイドのイ・ヨンギュさんは日本語を話し歌も上手な女性で、日本人が多い時には日本人だけの班を組み、イさんが案内を担当するとのことでした。ハイライトの「九龍の滝」コースは、すばらしい秋空と山麓まで広がった紅葉の中を沢沿いに緩やかな登山道が続き、小学生からお年寄りまで幅広く参加できるように整備されていました。中高年層で山登りがお好きな方にはおすすめのコースです。
|
休息所となる温井閣は、近代的な木造建築物で、レストラン、売店、サーカス場があります。外見はどこか日本のドライブインのよう。ここで開催されるモランボンサーカスは息を飲むような演技を見せてくれる本格的なもので、オプションとは言え一見の価値ありです。金剛山温泉も露天風呂を備えた近代的な入浴施設で、外国人も安心して利用できます。
今回のクルーズでは日本人が1人だけでちょっと心配だったのですが、船のホテルマネージャーのイ・チェスンさんをはじめクルーの皆様には機会あるごとに「お困りのことはありませんか?」と、お声をかけていただきました。またエクスカーションでは、韓国の皆様が、「写真を撮ってあげるからいつでも私に言いなさい。」とか「私は小さい頃大阪に住んだことがある。」など、日本語で気軽に話しかけてくださり、隣国の人々の心の温かさに感謝を申し上げたい気持ちでいっぱいです。
よく食べ、よく飲み、よく歩き、そして心が潤う金剛山クルーズ。後ろ髪を引かれる思いで帰国の途についた秋の旅となりました。
まんぼうくらぶサポーター会員 浜口勝則様より
|